千葉県流山市職員措置請求書

千葉県流山市長に関する措置請求の要旨

1、請求の要旨

① 財務会計上の行為又は怠る事実に関して

流山市は平成23年度より28年度8月まで市の健康福祉課による「放射能に関する健康相談」なるものを実施した。相談は3,11福島原発事故以降、ホットスポットとなった流山の子供を持つ保護者などを対象に医師による個別相談である。

本措置請求書は平成27年度、28年度に行われた個別相談の医師に支払われた報酬が一般的な市の相談事業にくらべ法外に高くしかも、事業効果があまり期待できず、不明瞭な事業のまま続けていることに対して、監査を要求するものである。

② 違法性、不当性について

○まず医師の仕事と報酬に対する不釣り合いな金銭の出費の問題を指摘する。

「放射能にかかわる健康相談実施状況」資料1-(),1-()によると

面談時間はほぼ1人30分以内で3万円支払われている。たとえば流山市をはじめ近隣の市の法律相談による弁護士報酬と面接時間は大体30分/1人報酬は3000円~5000円として業務委託あるいは個別契約をして企画し、実施している。流山市役所によると税理士などの相談事業はさらに一定の時間に対しての単価はさらに低くなる.

  次に医師の仕事としての比較である。この健康相談に支払われた医師への報酬は,ほかの医師の医療活動と同じ1日として計算されている。

一般的に行われている医師の乳幼児健康診断や学校検診は、対象人数も多く、

診察を伴い労働や時間などこの相談事業とは比較にならないほど重くまた必要性も法律で謳われている、各市でもほぼ同等の報酬が支払われているが、多くは医師会を通じており、不明瞭な点はない。

そもそも医師による診察行為を伴わない相談を行っている自治体は皆無で比較しようがなく基準もない。また、その医師の選定基準などもありようがない。ただインターネットなどで行われる個別の医師の相談などは数千円の単位である。

なおこの医師との契約書、医師の選定理由については現在健康増進課に情報公開を求めており、後日提出する。

○次に年間わずか1~2件しかない相談事業を一度も見直すことなく続けてきている市の企画のずさんさである。個別相談は東葛地区では松戸市と流山市のみであって松戸市も26年の年間2回を最後に中止した。(資料2、27年度6月議会提出の陳情文書から)27年度以降行っているのは流山市のみである。他自治体は、放射能相談は保健師や看護婦が担当し、解決できないときは医師や千葉の放医研を紹介し自治体としての報酬は払ってない。ちなみに放医研は24時間対応、無償、しかも相談件数は数万という実績を持ち、放射能の相談としては格好の機関であり、これを積極的に利用している自治体もある。相談件数も少なく、他自治体は行っていない本事業を、精査もせずいたずらに続けている。(事業の見直しを行ったかどうかは健康増進課に情報公開を請求中である。)

○ミニ講座という「怪事業」

平成26年度より年度より流山市は放射能の健康相談と合わせて、今まで行ってない医師による放射能のミニ健康講座を始めた。広報流山によると、ミニ講座については一行しか書かれてなく、市民は何もわからない(資料3)

また流山市で行われている一般的な育児相談には、放射能の健康相談については何も書かれていない(資料4)

このことを考えると2つの事業はまったく別のものである。

実態は放射能健康相談をやる以前に40分ほど、育児相談に来た参加者に、希望者を募ってビデオプロジェクターで医師が講座を開くというものである。これは医師のボランティアではなく医師の報酬の活動の一部として健康増進課が企画したものである。

28年8月4日の場合、事前にわかっている範囲で健康相談希望者はたった2人であり、その人向けに多人数対象のビデオプロジェクターを使ったミニ講座を開く必要ない。だから育児相談に来た人々も対象としていると考えられる。

しかし市民の側からすればこれほど不条理な企画はない。

第一、育児相談に来た人は放射能のミニ講座を受けるつもりも放射能健康相談を受けるつもりもなく、育児相談の合間に希望者が見ただけ(見せられた)である。それが医師の報酬の一部として知らぬ間にカウントされている。(素朴な善意を悪用しているとも言われかねない)

さらにこの企画によっては明らかに不平等が生まれる。

ミニ講座が開かれている最中の育児相談者はミニ講座が見られない。

その上、流山市で年間十数回あるほかの施設で行う育児相談者は、全くその恩恵にあずかれない。

なぜこのようなことが起こるか?

年間数件の放射能健康相談は事業効率からみれば、廃止や事業変更を考えなければならないが、健康増進課は怠ってきた。医師は時間内、手持無沙汰であるから市民が希望してない講座を開いて、ほかの相談の来訪者の中から見たい人、時間の余裕のある人に見せるといういわばトリック的手法を使っている。

これでは医師の報酬の正当性を見せかけるために計画で医師との癒着があると疑われても仕方がないであろう。

③ 流山市に対する損害

流山市が他自治体と違った特別なことを行い、市民がより恩恵を受けるならばよい。しかし特別なことをやってほかの自治体より支出が多く、しかもその効果は検証されないとすれば明らかにこの支出は不当である。

また、市民に明らかにされない不明瞭で不平等な怪事業は、市民の健康に対する公平な権利を奪うことになり、無駄な上に市政に対する信頼を失うものである。

④ 措置請求

○この事業は全国的に見てもきわめて特殊な相談事業で、27年28年の医師の報酬を見直すための市民を入れた検討委員会を開くこと。

○その結果生じた差額分は流山市長、健康福祉部長が市に返納すること

○ミニ講座は市民に対し不平等、不明瞭な情報発信を行い、ほとんどの市民には正当な恩恵を受けられず不利益をもたらした。その事業企画の経費を27年28年市長と健康福祉部長が市に返納すること。

○放射能の健康相談とミニ講座については事業の廃止、もしくは見直しを行うこと。

⑤ その他

放射能健康相談は平成23年、24年を過ぎると激減し、年間数件になっていたにもかかわらず、何の見当もせず他自治体とも比較せず、その効果もきちんと検証せず惰性で行われてきた。本来なら25年以来の監査を請求したいところであるが、監査は1年以内での限定であり、今後の運動との関係で断念した。

なぜ、他自治体の情報収集などを行い、あるいは市民の意見を聞くなど

事業の見直しが行われなかったのであろう。その結果が「怪事業」である。

現代の地方自治は刻々変化する時代に合わせ、新しい事業の見直しを常に行わなければならない。このような事業のやり方が蔓延すれば流山市の財政はますます悪化し、市財政が小さな穴から大きくに広がるごとく、ただならぬ事態になることを懸念するものである。

2、請求者

千葉県流山市松ケ丘5-664-34

無職

千葉県流山市松ケ丘5-759-75

会社員

  地方自治法第242条第1項の規定により、別紙事実証明書を添えて必要な措置を請求します。

          平成28年9月14日

宛先  流山市監査委員